キャリアアップ助成金とは?
キャリアアップ助成金は厚生労働省が非正規雇用の労働者の雇用条件を改善するために設置した制度です。
本記事ではキャリアアップ助成金について、分かりやすく解説します。
キャリアアップ助成金の概要
キャリアアップ助成金とは、有期契約で働く労働者やパートタイム労働者、派遣社員といった非正規雇用者が、企業内でキャリアを積み重ね、成長していけるよう支援するための助成制度です。
また、非正規雇用の労働者を正社員に昇格させたり、賃金や労働条件を向上させたりした企業には、助成金が支給されます。
主なコースと条件
キャリアアップの主なコース内容とそれぞれの条件について解説します。
正社員化コース
正社員化コースは、事業主が非正規雇用の従業員を正社員に転換したり、直接雇用することが対象です。
ただし、1年度につき、1つの事業所からの申請人数は最大で20人までと制限されています。
障害者正社員化コース
事業主が障害を持つ非正規雇用の従業員を正社員に転換することを支援する制度です。
障害者の雇用環境が改善され、安定した就業がサポートされます。
賃金規定等改正コース
事業主が非正規雇用労働者の賃金規定を見直し、賃金を2%以上引き上げすることが条件です。
上限は1年度あたり1つの事業所につき100人分までになり、申請は年度ごとに1回限りで追加申請はできません。
賃金規定等共通化コース
非正規雇用労働者と正社員の職務に共通点があることを考慮して、賃金規定を新たに作成・適用することが条件です。
キャリアアップ助成金の申請方法
キャリアアップ助成金を利用するには、まず、各コースの実施日より前にキャリアアップ計画を作成し、提出する必要があります。
計画書や支給申請に必要な書類の様式は、申請様式は厚生労働省の公式サイトのダウンロードページから取得できます。
該当する様式に必要な情報を記入し、申請を行います。
申請する際に注意すべきこと
キャリアアップ助成金を申請する際には、いくつかの注意すべきことがあります。
事前の手続きが必要
助成金を受けるためには、正社員化や賃金改善の前にキャリアアップ計画を作成し、届け出る必要があります。
施策を実施する前に労働組合などと協議して計画を立ててください。
施策実施後の提出は認められません。
就業規則への明記
特定の非正規雇用労働者の処遇を変更するだけでは不十分です。
対象となる労働者や条件を就業規則に明記し、明確なルールを設ける必要があります。
申請期間の注意
助成金申請は、措置を実施した後、賃金支払い日の翌日から2ヵ月以内に行う必要があります。
賞与についても、初回支払日の翌日から2ヵ月以内に手続きを行わなければなりません。
期間を過ぎると、助成金は支給されない可能性が高くなります。
まとめ
今回はキャリアアップ助成金について分かりやすく解説しました。
助成金を受け取るには、厳しい審査を通過する必要があります。
計画を作成する際は、社会保険労務士に相談しながら手続きを進めることをおすすめします。