就業規則とは?定めるルールについて
雇用事業主と労働者にとって重要なのが就業規則です。本記事では就業規則と定めるルールについて分かりやすく解説します。
就業規則とは
働きやすい職場環境を整えることは、企業にとって重要です。就業規則を定め労働時間や賃金、人事、服務に関するルールを明確にすることで、労働者と雇用者の間で発生しがちなトラブルを未然に防げる可能性が高まります。
モデル就業規則
常時10人以上の従業員を雇う事業者は、労働基準法に従い、就業規則を作成して労働基準監督署に届け出る必要があります。
また、就業規則を変更する場合も同様です。
厚生労働省労働基準局が監修するモデル就業規則を参考に、各事業場に合った就業規則を作成し届け出る必要があります。
定めるルール
就業規則には、必ず記載しなければならない項目(絶対的必要記載事項)と雇用事業主ごとに決める必要がある項目(相対的必要記載事項)があり、労働基準法に基づいています。
絶対的必要記載事項
就業規則に必ず記載すべきことを確認していきましょう。
労働時間に関する事項
労働時間に関する事項は以下4つです。
- 始業および終業の時刻
- 休憩時間
- 休日や休暇について
- 労働者を二組以上に分けて交替で勤務させる場合の就業時の変更について
賃金に関する事項
賃金に関する事項は以下の4 つです。
- 賃金の決定方法
- 賃金の計算および支払い方法
- 賃金の締切および支払いの時期
- 昇給に関する規定
さらに、退職手続きの詳細(解雇の理由も含む)も記載します。
相対的必要記載事項
退職手当や賃金に関する規定は、労働者が規定を理解することで自らの権利や義務をより良く把握し、適切な行動をとれるようになります。
退職手当については、どの労働者に適用されるか、手当の決定方法や計算方法、支払い方法、支払時期に関する規定です。
臨時賃金と最低賃金については、臨時賃金(退職手当を除く)や最低賃金に関するルールになります。
費用負担については、労働者が食費や作業用品などの費用負担のルールです。
安全衛生については、職場の安全や衛生に関する重要な基準になります。
職業訓練については、職業訓練に関する内容が規定されており、労働者のスキル向上を支援する内容です。
災害補償と業務外傷病扶助については、仕事に伴う災害に対する補償や、業務外での傷病に対する支援についてのルールになります。
表彰と制裁については、労働者への表彰や制裁の種類、程度についての規定です。
その他のルールについては、事業場内のすべての労働者に適用される基本的なルールになります。
まとめ
就業規則や定めるルールについて詳しく解説しました。
企業の成長を促進するには、適切な就業規則の策定は欠かせません。
就業規則の作成や見直しを考えている場合は、専門的な知識を持つ社会保険労務士に相談することをおすすめします。